SNSをやめられない人へ:不安から逃れるためにSNSしてない?

ACTマトリックス
ユキ
ユキ

SNSを見るのをやめられません・・・
休みの日はTwitterやインスタを見ているだけで1日が終わって,「何をやっていたんだ・・・」って思います・・・。

ハルハル
ハルハル

SNSをみるために,ほかのやることができないんですね。
ところで,ユキさんにとってSNSを見る目的は,「大切な人やものと触れ合うため」ですか?
それとも,「不安から逃れるため」ですか?

ユキ
ユキ

え,そんなこと,考えたことなかったです!
どっちなんだろう・・・。

SNSを「やめられない」とき,心理学的には,大きく2つのパターンが考えられます。
1つ目は,SNSが人生を豊かにしてくれる可能性を秘めているパターン,2つ目は,SNSが人生の可能性を閉ざしてしまうパターンです(本文で詳しく見ていきます)。
そして,自分が今どちらのパターンなのかを自覚することで,SNSに支配されることなく,健康的にSNSを使用できるようになります注1)以下参考:Polk, K.,  & Schoendorff, B. (2014). The ACT matrix: A new approach to building psychological flexibility across settings and populations. Oakland: New Harbinger Publications.

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SNSがやめられない2つのパターン

SNSがやめられないパターンは,次の2つです。

SNSが価値あるモノと触れ合う手段であるパターン

1つ目は,SNSを使うことで,大切なモノや人に触れ合うことができているパターンです。
別の言い方をすると,SNSを使うことで,あなたの生きがいだったり,心からやりたいと思えることができているパターンですね。

たとえば,SNSを使って大切な友人と豊かな交流をしている人や,漫画やイラスト,小説などの芸術表現のためにSNSを使っている人,SNSでは本当の自分が出せる人などは,このパターンであることが多いでしょう注2)「ことが多い」としたのは,友人との交流や芸術表現が「不安から逃れる手段」になっていれば,2つ目のパターンになるからです。

コミットメントとしてのSNS

このように, 大切なモノや人と触れ合うための行動のことは,「コミットメント」といいます
コミットメントは,「正の強化」というメカニズムによって,飽きることなく続けることができます。

同じ「やめられない」でも,コミットメントとしてSNSを使っている場合は,SNSによって人生を豊かにしていくことができます(といっても,生活に支障が出るほどやりすぎるのは微妙ですが・・・)。
コミットメントが多いほど,落ち込みや不安などの心の問題が少ないこともわかっています注3)Smout, M., Davies, M., Burns, N., & Christie, A. (2014). Development of the valuing questionnaire (VQ). Journal of Contextual Behavioral Science3, 164-172.

SNSが不安から逃れる手段であるパターン

2つ目は,SNSを使うことで,不安な気持ちから一時的に逃げることができるパターンです。
たとえば,友達の話題から取り残されるのが不安で,SNSで話題を追いかけると,不安が一時的になくなるパターン。
ほかには,「早く返信しないと嫌われるんじゃ」という不安から解放されるためにSNSを開くパターンや,SNSを見ることで「なんとなく漠然と不安」な気持ちが落ち着くパターンなどもそうです。

体験の回避としてのSNS

このように,不安や,その他のネガティブな思考や感情から逃れようとする行動は,「体験の回避」と呼ばれます
体験の回避は,「負の強化」と呼ばれるメカニズムによって,ほぼ無意識に行われてしまいます。

同じ「やめられない」でも,体験の回避としてSNSを使うと,あなたの人生の可能性を狭めていってしまいます
なぜならば,体験の回避への努力に多大なエネルギーを割いたせいで,大事なコミットメントができなくなってしまうからです。
さらに,体験の回避が多いほど,落ち込みや不安などの心の問題が多いこともわかっています注4)Smout, M., Davies, M., Burns, N., & Christie, A. (2014). Development of the valuing questionnaire (VQ). Journal of Contextual Behavioral Science3, 164-172.
不安や落ち込みから逃れるために体験の回避をしているのに,逆に不安や落ち込みが増えてしまうというのは皮肉なものですね。

どちらのパターンかどうやって見分ける?

ユキ
ユキ

うーん・・・。
自分と向き合って色々考えてみたけど,私がSNSを使う目的が,コミットメントなのか体験の回避なのか,自分でもよくわからなくなってきました・・・。

ハルハル
ハルハル

自分と向き合ってもわからないのは,誰だってそうですよ!
実は,自分と向き合わなくても,もっと簡単に見分ける方法があります。
それは,「行動の結果」を見ることです!

見分けるポイントは「行動の結果」

実験結果を観察する科学者のように・・・

次にSNSを開きたくなったとき,ただ開くだけでなく,SNSを開いた後の自分の状態を観察してみましょう
あなたがSNSを見た結果,どんなことが起きましたか?

結果,大切なモノや人に触れ合うことができたなら・・・

それは,コミットメントです。

結果,不安が一時的に減ったなら・・・

それは,体験の回避です。

このように,結果に基づいて,行動がコミットメントか体験の回避かを判断することは,「機能分析」と呼ばれます

「どっちでもある」ことも多い

しかしながら,SNSを見ることで,不安が減って,同時に大切なモノや人に触れられる場合もあるかもしれません。
それは,SNSを見ることが,体験の回避とコミットメントの両方だというパターンで,よくあることです。

そのような場合は,不安が減ることと,大切なモノや人に触れられることが,SNSを開く行動に与える影響がそれぞれどれくらいかを,パーセントにして分析してみましょう!
たとえば,体験の回避が20%で,コミットメントが80%・・・という感じですね。

パターンに気づくことでパターンを選択できる

さて,ここで気をつけてほしいのが,別に体験の回避が絶対悪ではないということです。
そして,自分にコミットメントを強制する必要もないということです。
「今日は体験の回避をしたい気分だな」と思ったならば,体験の回避をするのもよいでしょう。
私も,そのような気分になるときはあります。

大事なのは,

体験の回避かコミットメントかどちらをしているか自覚する

ことです!
これを自覚することで,不安にとらわれずに,自分の行動の目的を冷静に観察できます
この状態を,「観察する自己」といいます。

観察する自己の視点に立つことで,不安に支配されることなく,自分が体験の回避をするのか,それともコミットメントをするのか,自分自身で選択することができます!
つまり,「SNSをやらない選択」も「SNSをやる選択」も,不安が選ぶのではなく,自分で選んでつかみ取ることができるようになるということです。

Practice Makes Perfect!

2つのパターンを見分ける方法を頭でわかっていても,実際に区別してみると,変な感じがしたり,うまくいかないのは普通のことです。

大切なのは,練習することです。
SNSに限らず,いろんな行動について,体験の回避かコミットメントか,どちらなのかを区別する練習をしてみましょう。
何回も練習するうちに,行動がどちらのパターンか,機能分析するのが簡単になってきます

自転車の練習みたいなものですね!

さいごに:ACTマトリックス

さて,今までの私の記事を読んでくれている読者の方ならお気づきかと思いますが,この記事は,「アクセプタンス&コミットメント・セラピーACTアクト)」という心理学的トレーニングの考え方に基づいて書かれています。
さらにいうと,ACTのなかでも,「ACTマトリックス」という比較的新しい理論に基づいています。

ACTについては,以下の記事にまとめてあります。
ACTについて理解することで,今回の記事の理解も深まることでしょう。

「ACTマトリックス」についての記事も,また執筆したいと思います。
では,あなたが健全なSNSライフを送れることを祈念しつつ!

  • SNSをやめられない1つ目のパターンは,SNSが「コミットメント」の手段であるパターン
  • 「コミットメント」とは,大切なものや人と触れ合うための行動で,人生を豊かにし,心理的問題を少なくする効果がある
  • SNSをやめられない2つ目のパターンは,SNSが「体験の回避」の手段であるパターン
  • 「体験の回避」とは,嫌な思考や感情から逃れるための行動で,人生の可能性を狭め心理的問題を増やしてしまう
  • 自分が2つのどちらをしているかを見極めるには,行動の結果を観察する「機能分析」を行う
  • 機能分析を行うことで,不安に支配されない「観察する自己」の視点に立ち,自分の行動を自分で選択できるようになる
  • これらの方法は,「ACTマトリックス」という理論に基づいている

※すべての心理学理論には個人差があります。
※本記事におけるアドバイスは,自己責任でご実践ください。

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